はじめに

「エージェントに登録したのに音沙汰がない…」その悩み、実は珍しくない
転職活動を始めたばかりの方の中には、「転職エージェントに登録したのに、全然連絡が来ない」「やっと連絡が来たと思ったら、簡単な定型文だけで終わった」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
特に20代〜30代前半の若手で、職歴が少ない、あるいは未経験の業界・職種へのチャレンジを考えている場合、こうした“無視されているかのような”対応に直面しやすい傾向があります。
もちろん、エージェント側が意図的に無視しているわけではない場合も多いですが、「登録=必ず手厚いサポートが受けられる」と思っていた方にとっては、返答がないだけで不安や焦りが募ってしまうのも無理はありません。
若手・未経験者に多い“無視される”ケースとは
実際、以下のようなケースでは、エージェントからの反応が鈍くなることがあります。
- 職務経歴がまだ浅く、紹介できる求人が少ないと判断された場合
- 希望条件が現実的ではない、または絞り込まれていないと感じられた場合
- 未経験業界への転職を希望していて、マッチングの難易度が高いと判断された場合
- 登録情報や自己PRが曖昧で、紹介に至らなかったケース
こうした場合、エージェント側の都合や判断だけで進まないこともあり、結果として「無視された」と感じてしまうのです。
とはいえ、これは「自分には価値がない」ということでは決してありません。
むしろ、エージェントを“活用する側”として、自分自身のアプローチを見直したり、複数のサービスを併用することで状況を改善できる可能性は十分にあります。
次章では、なぜエージェントに無視されるのか、背景にある理由をより具体的に掘り下げていきます。
転職エージェントに無視される主な理由

「どうして自分だけ返事が来ないの?」――そんな疑問を抱えてしまうのも当然ですが、実は転職エージェントが連絡をしない・対応が遅い背景には、いくつかの“業界特有の事情”や“マッチング上の判断”が隠れています。ここでは、若手の転職希望者にありがちな原因を具体的に解説します。
1. 求人紹介が難しい条件だった
転職エージェントは、企業から「この条件に合う人を紹介してほしい」と依頼を受けて動いています。そのため、求職者の希望条件が以下のようにマッチしにくい場合、紹介できる求人が見つからず、結果として連絡が途絶えてしまうことがあります。
- 年収希望が高すぎる
- 働きたい地域が限定的すぎる
- 残業ゼロ・リモート・未経験職種など条件が多すぎる
特に経験が浅い若手の場合、「条件を優先しすぎて紹介できる案件がない」と判断されることもあります。理想を持つことは大切ですが、「どこを譲れて、どこが譲れないか」を整理することが、紹介数を増やすカギになります。
2. 職歴やスキルが合わないと判断された
エージェントは企業との信頼関係を保つため、紹介する人材が求人に見合っているかを厳しく見ています。以下のような場合、「現時点ではご紹介できる案件がない」と判断され、優先順位が下がることがあります。
- 転職回数が多い・職歴に一貫性がない
- 実務経験が極端に短い
- 求人が求めるスキルとのギャップが大きい
たとえば「マーケティング職を希望しているが、前職は営業事務で実績が乏しい」など、キャリアチェンジを希望する若手は、エージェント側からすると紹介リスクが高いと見なされることもあります。
3. 対応できるリソースが足りない場合もある
エージェント側の事情として、登録者が多すぎてすべての希望者に個別対応できないという問題も存在します。特に大手エージェントでは、キャリアアドバイザー1人あたりが抱える求職者数が非常に多く、どうしても即戦力・高年収・企業ニーズに直結する人材が優先されやすくなります。
つまり「無視されている」のではなく、「物理的に対応が追いついていない」可能性も十分にあるのです。
4. 登録内容や対応に問題があったケース
エージェントは、登録された情報をもとに対応の可否や優先度を判断します。以下のような登録ミスや対応の印象によって、サポート対象から外れてしまうケースもあります。
- 職務経歴書が未記入、または内容が雑だった
- 希望条件が曖昧・漠然としすぎていた
- 初回面談での受け答えが不誠実に感じられた
- メールや電話での連絡が取りづらかった
とくにプロフィールの記入が不十分なまま登録してしまうと、「本気度が低い」と受け取られ、連絡が後回しにされることもあります。
次章では、こうした状況をどう打破すればいいのか、「無視されないための具体的な対策」について詳しく解説していきます。
無視されないためにできる対策

転職エージェントからの連絡がないと、「自分に価値がないのでは」と落ち込んでしまいがちですが、実際には少しの工夫や改善で状況が大きく変わることがあります。ここでは、若手の方がエージェントに無視されず、きちんと対応してもらえるようにするための具体的な対策をご紹介します。
1. 職務経歴書・プロフィールを見直す
エージェントにとって、あなたの職務経歴書や登録プロフィールは“第一印象”そのものです。
記入が不十分、内容が薄い、誤字脱字が多い――こういったプロフィールでは、紹介に至る可能性は一気に低くなります。
以下の点を意識して書き直してみましょう。
- 具体的な業務内容と実績を明記する(例:「Excelを使ってデータ集計」よりも「売上データを週次で集計し、改善施策の提案まで担当」)
- スキルや資格を箇条書きで分かりやすくまとめる
- 志望動機や希望業界への興味を簡潔に記載する
- 未経験職種を希望する場合は、その理由と学習意欲を示す
しっかり書き込むことで、「この人には紹介できそうだ」とエージェントに判断してもらいやすくなります。
2. 熱意を伝える初回メッセージの書き方
登録後にエージェントと初めてやり取りする際のメッセージは、軽視されがちですが非常に重要です。
テンプレのような短文ではなく、あなたがなぜ転職を考えていて、どんな方向性を望んでいるのかを簡潔に伝えることで、エージェント側も「しっかり向き合う価値のある求職者だ」と感じやすくなります。
【例文】
「現在は営業職として3年勤務しており、チームリーダーも任されています。今後はデジタルマーケティングの分野で挑戦したいと考えており、独学で学習も進めています。未経験ですが、可能性のある求人があればぜひご紹介いただければ幸いです。」
誠実かつ簡潔に伝えることがポイントです。
3. 登録先を増やして反応を比較する
1社のエージェントに登録して反応がないと、「もうダメだ」と思ってしまいがちですが、エージェントによって得意分野・対応の質は大きく異なります。
複数のエージェントに登録して反応を比較するのは、むしろ基本戦略ともいえる行動です。
特に若手の場合、以下のように複数登録がおすすめです:
- 総合型の大手(リクルートエージェント、dodaなど)
- 若手・第二新卒に強いエージェント(マイナビジョブ20’s、キャリアスタートなど)
- 業界特化型(IT業界特化、販売職専門など)
エージェントごとの対応の違いを肌で感じながら、自分に合った支援先を選びましょう。
4. ハイキャリア向け vs 若手向けエージェントの違いを理解する
実は、エージェントにはそれぞれターゲット層があります。ハイキャリア・管理職・専門職をターゲットにしているエージェントに登録してしまうと、若手で経験が浅い人材はどうしても後回しにされがちです。
たとえば、以下のような違いがあります。
エージェントタイプ | 主な対象 | 特徴 |
---|---|---|
ハイキャリア向け | 年収600万円以上、マネジメント経験者など | 紹介数は少ないが高待遇。若手は対象外になりやすい |
若手・第二新卒向け | 20代・未経験可・ポテンシャル重視 | 応募可能求人が多く、サポートが手厚い傾向 |
登録する際は、「自分が対象に入っているか」を必ずチェックしましょう。ミスマッチを避けるだけでも、対応率は大きく変わってきます。
これらの対策を実践することで、「無視される状態」から脱し、エージェントを自分の転職活動における“心強いパートナー”として活用できるようになります。
ご希望の場合、弊社提携先よりエージェントをご紹介できます。多数の転職エージェントが登録されており、最適なエージェントを見つけられます。
まとめ:転職活動で自分を見失わないために

転職活動をしていると、思い通りにいかない瞬間が必ず訪れます。
その中でも、「転職エージェントに無視された」と感じる体験は、多くの若手にとって心を折られかねないものです。
ですが、その反応ひとつで「自分には価値がないのでは」と思い込む必要はまったくありません。
無視された=価値がない ではない
転職エージェントはあくまで「ビジネスとして人材と企業をマッチングする存在」です。
つまり、エージェント側の都合(求人ニーズ・社内リソース・タイミングなど)によって、対応の有無や優先度が決まっているのが現実です。
そのため、たとえ連絡がなかったとしても、それはあなたの価値や能力を否定されたわけではありません。
むしろ、「現時点での条件では合わなかった」「違う方法の方がチャンスを掴める可能性が高い」というだけの話です。
自分に合う方法で情報とチャンスを取りに行こう
エージェントから反応がないときこそ、視野を広げてみましょう。
- プロフィールや職務経歴書の見直し
- 複数のエージェントへの登録・比較
- 転職サイトでの自己応募
- スカウト機能や企業直接応募の活用
これらを試すことで、自分にフィットする選択肢が必ず見えてきます。
転職活動は、「受け身」ではなく「戦略的に動く」ことが求められる場面です。特に若手であれば、「今は伸びしろの途中」と前向きに捉えて行動し続けることが大切です。
最後に
エージェントに無視されたことで自信をなくしてしまったとしても、それは決して転職活動の“終わり”ではありません。むしろ、それをきっかけに「もっと自分に合った道を探そう」と動き出すチャンスです。
遠回りに見えても、あなたに合った会社や働き方は必ず存在します。大切なのは、途中で立ち止まらず、自分らしさを忘れずに進んでいくことです。
どんな形であっても、行動するあなたには、チャンスをつかむ資格があります。